2009年11月27日

棲龍門


"Seiryumon" @ Hayama_0062 2009.11.23
Originally uploaded by Wataru Yamada

棲龍門は、岡山は備中、羽山渓にあるボルトルートで、5.13c/dのグレードがついている。そんな大層だと思ってたルートも、ギリギリ一桁回数で登ることが出来て嬉しい週末だった。

さあ回収となった時、目の前にぶら下がるヌンチャクは誰かの残置らしく、登りきった僕への誘いなのか、それともただの残置なのか、僕はしばし考えた。辺りはすっかり暗くって、人も疎らな羽山渓で、終了点にぷらぷらしながら僕はしばし考えた。空を見たらば三日月が、白い光で照らし出す。

照らし出されたはペツルのスピリット。僕の心はぐらぐら揺れた。

2009年10月20日

事故-名張MCの岩場

2009年10月4日、名張MCの岩場で三人パーティの待機中の一名がテラスより転落・滑落する事故がありました。事故の際、隣のルートを登っていて転落・滑落の様子が一部始終見えましたが、受傷者は奇跡的にも軽傷で、経過も良好なようで何よりです。事故の詳細は以下を参照ください。

名張(香落渓)MCの岩場アクセス問題

今回の事故と直接の関係はありませんが、自分の安全は自分で確保するという感覚が弱いように思います。登る能力と安全に登る能力は当然比例するもので、ナチュラルプロテクションを用いるルートの場合は殊更です。ルートに取り付いた時点で、自分の安全について思考できない、余力の無い状態に追い込まれてしまうようなクライミングが、ここ名張でも多く繰り広げられています。

これはお願いですが、キレキレで登るんじゃなくて、もうちょっと余裕持って登ってよ。

2009年9月29日

名張を登る日々


Snakeman, my ego_0048
Originally uploaded by Wataru Yamada

青く澄んだ空は空気が乾いたせいだ。馴染みはじめたジャミングの感覚と、不精な後ろ髪を撫でる秋の風が、この登りを一層軽快にする。真直ぐに伸びた一本の線を、自らのコントロールで登りきるこのゲームは、どうしていつも新鮮で面白い。

ボルダーは出来ないことを出来るようにする能力で、
ルートは出来ることをちゃんとやる能力だ。
そしたらクラックは、出来ること出来ないことを見極める能力だ。

2009年8月19日

スペシャリスト


Aiji
Originally uploaded by Wataru Yamada

スペシャリストは小川山のマラ岩ケイブにある前傾壁のショートルートだ。5.13c/dのグレードでだいぶん短いので、たぶんムーブもだいぶん悪いんだと思う。どんな因果か、これをトライし始めて三年になるというおっさんのビレイをすることになった。

おっさんは基本的によく喋る。ムーブが決まらなくてもよく喋り、次には決まって説教が始まるので、僕はカムの準備をしながら話半分聞いてる感じだ。でもクライミングの根っこの所について語ってくれるし、時にすごく共感できることを言ったりするから、僕はおっさんの話が不思議と好きになった。

最後の日、最後のトライも僕がビレイさせてもらった。僕は何にも言わなかったけど、このトライで登ってくれたら嬉しいなと、自分らしくもなく思ったもんだ。でもおっさんはやっぱり今日はダメと言って降りてくると、いつもの調子で始めた。

「やっぱりさ、女と登ってる奴はダメ。強いヤツと登んなきゃ。」

僕はもうぐうの音も出ないんだけど、でもそしたらこの若い煩悩はどうしたもんかと思ったもんだ。

瑞牆山の八月


Mizugaki.August_0101
Originally uploaded by Wataru Yamada

高原の風が林の中をやさしく吹きぬけ、しっとりとした空気を少しだけ連れ去っていく。そこで岩は少しだけ乾き、同時に湿気を取り戻そうとすぐに呼吸を始める。そんな自然のサイクルで登ったり寝転がったりしていたら、いつの間にやら日がとぷんと落ちよった。

慌てて戻って晩酌してたら、月がぽっかり現れて、瑞牆山を照らし出す。そうだそうだ、今回はあの岩塊を登りに来たんだったっけか。しかし登りたくてもパートナーがいないんじゃ仕方ないから、小川山に移動しよう。人っこいない瑞牆山はあとにして、冷たい夜風でドライブは気持ちが良いもんだ。

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